田植えの基本 — 条間・株間と田植機の設定

真っ直ぐに並んだ田植え直後の苗 田植え

田植えは条間・株間の設定で収量が大きく変わります。田植機の調整ポイントと、植え付け時に見るべき数値をまとめます。

条間と株間の基本

用語 意味 一般的な値
条間(じょうかん) 列と列の間隔 30cm(固定が多い)
株間(かぶま) 株と株の間隔 14〜22cm(機械で調整)

条間30cm × 株間18cm の場合、1㎡あたり約18.5株になります。

株間と株数の関係

株間 1㎡あたり株数 傾向
14cm 23.8株 密植。分げつが抑制される
16cm 20.8株 やや密植
18cm 18.5株 標準
20cm 16.7株 やや粗植。1株の分げつが増える
22cm 15.2株 粗植。風通し良く倒伏に強い

標準は 18cm前後 です。倒伏しやすい圃場や品種は 20〜22cm に広げると、風通しが良くなり倒伏リスクが下がります。

田植機の設定

1. 植え付け深さ

2〜3cm が目安です。深すぎると初期成育が遅れ、浅すぎると浮き苗になります。

代かき後に土が十分沈降していないと、設定どおりの深さにならないことがあります。仕上げ代から 2〜3日 空けてから植えてください。

2. 植え付け本数

1株あたり 3〜5本 が標準です。田植機のかき取り量で調整します。

設定 本数/株 特徴
少なめ 2〜3本 苗の節約になるが欠株リスク
標準 3〜5本 バランスが良い
多め 5〜7本 過密になりやすい

3. 走行速度

田面の硬さが均一であれば 低速〜中速 で十分です。速すぎると植え付けが浅くなりがちです。

田植え当日の水管理

タイミング 水深 理由
植え付け中 1〜2cm 苗が見える程度。深いと植え付け位置がずれる
植え付け直後 3〜4cm 苗の葉先が水面に出る程度。乾燥防止
翌日以降 3〜5cm 浅水で保温。活着を促す

田植え前のチェックリスト

当日の朝に確認しておくべき項目です。

チェック項目 確認内容
苗の状態 葉齢3.0〜3.5葉。根がマット状に張っているか
田面の沈降 仕上げ代から2〜3日空いているか。足で踏んで適度な硬さか
水深 1〜2cm。苗が見える程度か
田植機の燃料・オイル 作業途中で切れないか
肥料(側条施肥の場合) ホッパーに所定量が入っているか
補植苗の準備 欠株を直す予備苗があるか

側条施肥の活用

側条施肥機付きの田植機を使えば、田植えと同時に基肥を施肥できます。

項目 メリット
労力削減 基肥散布が不要になる
肥料効率 苗の横に直接置くため、根が吸いやすい
減肥 全面散布に比べて15〜20%の減肥が可能
ムラの低減 散布ムラが出にくい

ただし機械の価格が高いため、面積が3ha以上でないとコストメリットが出にくい点には注意が必要です。

田植え後にやること

植え付けが終わったら、当日〜翌日のうちに以下を済ませます。

  1. 水深を3〜4cmに上げる — 苗の乾燥を防ぎ保温する
  2. 浮き苗の確認 — 水面に浮いている苗は手で押し込む
  3. 欠株の補植 — 苗がない場所に予備苗を手植えする
  4. 入水口・排水口の確認 — 漏水がないか確認する

よくある失敗

失敗 原因 対策
浮き苗 植え付けが浅い / 土が柔らかすぎる 深さ設定を1段階深く。代かき後2〜3日空ける
欠株 かき取り量が少ない / 苗の根張り不足 苗のマット強度を確認。かき取り量を上げる
曲がり 走行ラインのずれ マーカーラインを確認。最初の1条を真っ直ぐに
植え付けムラ 田面の硬さが不均一 均平をしっかり出す。仕上げ代のあと沈降時間を取る

圃場ごとの記録

田植え時の設定と結果を圃場ごとに記録しておくと、翌年の最適な設定が見えてきます。

記録項目 記録例
田植え日 5月18日
品種 コシヒカリ
条間×株間 30cm × 18cm
植え付け深さ設定 3段階中2(標準)
かき取り量設定
苗の葉齢 3.2葉
代かきからの日数 3日
田植え時の水深 1.5cm
浮き苗の割合 5%以下
使用した苗箱数 22箱/10a

まとめ

  • 条間30cm × 株間18cm(1㎡あたり約18.5株)が標準
  • 倒伏しやすい圃場は株間を20〜22cmに広げる
  • 植え付け深さは2〜3cm、1株3〜5本
  • 田植え時の水深は1〜2cm。植え付け後に3〜4cmへ上げる

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