活着・初期成育の基本 — 浅水管理と除草

浅水で根を張らせる活着期の苗 活着

田植え後の1〜2週間は苗が根を張る大事な期間です。水深と温度の管理で活着のスピードが変わります。

活着とは

田植え後、苗が新しい根を出して土にしっかり固定されることを「活着」と呼びます。目安は田植えから 5〜7日 です。

活着の確認方法は簡単です。苗の葉を軽く引っ張ってみて、抵抗がある なら根が張っています。

活着期の水管理

時期 田植え後 水深 目的
活着まで 0〜7日 3〜5cm(苗の葉先が水面から出る) 保温・乾燥防止
活着直後 7〜10日 2〜3cm(浅水に切替) 地温を上げて根の伸長を促す
初期成育 10〜20日 2〜4cm(浅水維持) 分げつの発生を促す

深水にしすぎない

水深が7cm以上になると、地温が上がりにくくなり活着が遅れます。また、茎の基部に光が届かず分げつの発生が遅れます。

低温時は例外的に深水

田植え直後に最低気温が 10℃以下 になる予報がある場合は、水深を 5〜7cm に上げて保温します。低温が去ったら3cmに戻してください。

初期除草

除草剤は田植え後 3〜7日 の間に散布するのが一般的です。

項目 内容
散布時の水深 3〜5cm(均一に)
散布後の止水 7日間 水を入れ替えない
漏水がある圃場 散布前に畦畔の漏水を補修

除草剤の効きが悪い場合は、水深のムラが原因であることが多いです。均平がしっかり出ていれば、除草剤は均一に効きます。

活着を早めるポイント

活着のスピードは水温と地温に左右されます。以下の工夫で活着を早められます。

地温を上げる

浅水管理の最大の目的は地温の確保です。水深2〜3cmであれば日射で水温が上がりやすく、地温も連動して上昇します。地温が 15℃以上 になると根の伸長が活発になります。

地温 根の伸長
12℃以下 ほぼ停止
13〜15℃ 緩慢
16〜20℃ 活発
21〜25℃ 最も旺盛

風による蒸散を防ぐ

風が強い日は苗の蒸散が進み、根からの吸水が追いつかないことがあります。風が強い日は一時的に水深を4〜5cmに上げ、苗の下半分を水で覆ってください。

入水の温度に注意

用水路の水温が低い地域(山間部や雪解け水の影響がある地域)では、入水した水が地温を下げることがあります。昼間に入水し、夜間は止水するのがコツです。

初期の雑草対策

除草剤だけでなく、日ごろの観察も重要です。

除草剤の種類

種類 特徴 散布方法
1キロ粒剤 水に溶けて広がる 畦畔から手まき
フロアブル 液体。均一に広がりやすい 畦畔から流し込み
ジャンボ剤 パック入り。投げ込むだけ 水面に投入

どのタイプでも 散布後7日間の止水 は共通です。水を動かすと薬剤の処理層が壊れ、効果が大幅に落ちます。

除草剤が効かなかったときの対応

  1. まず 水深のムラ を疑う。均平が出ていない圃場は薬剤層が不均一になる
  2. 次に 漏水 を確認。畦畔からの水漏れで薬剤が流出していないか
  3. それでも効かない場合は 抵抗性雑草 の可能性。別系統の薬剤に切り替える

よくある失敗

失敗 原因 対策
活着が遅い 水深が深すぎて地温が上がらない 3〜5cmを維持
浮き苗 代かき後の沈降不足 / 水流が強い 入水を弱める。浮いた苗は手で押し込む
除草剤が効かない 水深ムラ / 散布後に水を動かした 均平を確認。散布後7日間止水
初期分げつが少ない 深水で茎基部に光が当たらない 活着後は浅水(2〜3cm)に切替

活着期の記録項目

活着期に記録しておくと翌年の改善に活かせる項目です。

記録項目 記録頻度 活用
水深 毎日 適正水深の維持確認
気温(最高/最低) 毎日 低温による深水判断の根拠
活着日(葉を引いた日) 1回 品種・圃場ごとの活着日数の把握
除草剤の種類と散布日 散布時 翌年の薬剤選定の参考
浮き苗の数と場所 田植え翌日 代かきの均平改善箇所の特定
初期分げつの開始日 確認時 次ステージ移行の判断材料

まとめ

  • 活着は田植え後5〜7日。葉を引いて抵抗があれば根が張っている
  • 水深は3〜5cm。活着後は2〜3cmの浅水で地温を確保
  • 低温時(最低気温10℃以下)のみ深水で保温
  • 除草剤は田植え後3〜7日。散布後7日間は止水

コメント

タイトルとURLをコピーしました