中干しは田んぼの水を一度抜いて土を固める工程です。根の伸長と倒伏防止に直結しますが、やりすぎると根を傷めます。
中干しの目的
| 目的 | 効果 |
|---|---|
| 根を伸ばす | 土中の酸素が増え、根が深く張る |
| 倒伏を防ぐ | 茎の基部が固まり、株が倒れにくくなる |
| 硫化水素を抜く | 還元状態の有害ガスを排出する |
| 無効分げつを止める | 水を切ることで新しい分げつの発生を抑制 |
| 地耐力を上げる | 収穫時にコンバインが入れる硬さにする |
開始時期
中干しの開始タイミングは 有効分げつ数が目標に達したとき です。
| 判断基準 | 値 |
|---|---|
| 目標茎数 | 1株あたり20〜25本 |
| 田植えからの日数 | 30〜40日が目安(品種・地域による) |
| 暦の目安(三木市) | 6月下旬〜7月上旬 |
分げつ数を確認してから入るのが原則です。暦だけで判断すると、早すぎ(分げつ不足)や遅すぎ(過繁茂)になります。
期間の目安
| 圃場の特徴 | 中干し期間 |
|---|---|
| 乾きやすい砂質土壌 | 5〜7日 |
| 標準的な壌土 | 7〜10日 |
| 水持ちが良い粘土質 | 10〜14日 |
終了の判断
中干しの終了は 田面のヒビと株元の硬さ で判断します。
| 判断基準 | 終了の状態 | やりすぎのサイン |
|---|---|---|
| 田面のヒビ | 幅1cm程度の細いヒビが入る | 幅2cm以上の深いヒビ |
| 株元 | 足で踏んで沈まない | 表面がカチカチに乾く |
| 葉色 | やや薄くなる | 葉が巻く・枯れ上がる |
| 根 | — | 白い根が切れている |
ヒビが大きく深くなりすぎると、根が切れて回復に時間がかかります。 特に乾きやすい圃場では毎日田面を確認してください。
中干し後の水管理
中干し後はいきなり深水にせず、間断灌漑 で徐々に水を入れます。
| 段階 | 水管理 | 期間 |
|---|---|---|
| 間断灌漑 | 水を入れる → 自然に落水 → また入れる | 7〜10日 |
| 浅水管理 | 2〜3cmを維持 | 出穂まで |
| 出穂期 | 3〜5cmに戻す | 出穂前後 |
間断灌漑は根に酸素を送りつつ、田面が完全に乾くのを防ぎます。
中干しの実施手順
落水の仕方
中干しは 排水口を開けて自然に水を抜く のが基本です。ポンプで強制排水すると早く乾きますが、急激な乾燥は根を傷めるリスクがあります。
落水の手順は以下の通りです。
- 入水を完全に止める
- 排水口を開ける
- 水が引いたら排水口を閉める(畦畔からの雨水も排水したい場合は開けたまま)
- 田面を毎日観察する
梅雨時の対応
中干しの時期と梅雨が重なることがよくあります。雨が降ると田面に水がたまり、中干しが進みません。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 小雨が続く | 排水口を開けたまま。合間に乾かす |
| まとまった雨の予報 | 雨の前に排水口を深めに開けて水を逃がす |
| 長雨で全く乾かない | 晴れ間が3日以上続くタイミングまで待つ |
中干しは連続した晴天が3日以上必要です。梅雨入り前に開始できるのが理想ですが、分げつ数が目標に達していなければ無理に始めないでください。
中干し中の観察記録
毎日記録しておくと翌年の参考になります。
| 記録項目 | 記録例 |
|---|---|
| 開始日 | 7月3日 |
| 田面の状態(毎日) | 7/5 表面乾燥、7/7 細いヒビ |
| ヒビの幅 | 0.5cm → 1cm → 1.5cm |
| 足で踏んだ沈み具合 | 7/5 3cm沈む → 7/8 沈まない |
| 終了日 | 7月10日 |
| 入水再開後の回復 | 7/12 新根確認 |
よくある失敗
| 失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 中干しが長すぎる | 田面の確認をしなかった | 毎日ヒビの幅と深さを確認 |
| 中干しが短すぎる | 梅雨で雨が続いた | 排水を確保し、晴れ間に落水を進める |
| 根が傷んだ | ヒビが深く根が切れた | 細いヒビ(1cm)で終了する |
| 中干し後に倒伏 | 中干し後の深水で茎が軟化 | 間断灌漑で徐々に水を戻す |
まとめ
- 中干しは有効分げつが目標(20〜25本/株)に達してから開始
- 期間は土質で変わる。砂質5〜7日、壌土7〜10日、粘土10〜14日
- 終了判断は 田面に細いヒビ(1cm程度)+ 株元が沈まない
- 中干し後は間断灌漑で徐々に水を戻す。いきなり深水にしない


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