代かきは田植えの土台を作る工程です。均平が出ていないと水深にムラが生じ、活着不良や除草剤の効きムラにつながります。
代かきの目的
- 均平を出す — 田面の高低差を2cm以内に抑える
- 土をトロトロにする — 苗の根が入りやすい柔らかさにする
- 漏水を防ぐ — 耕盤の上に泥の層を作り、水持ちを良くする
- 残渣をすき込む — 前作の稲わらや雑草を分解しやすくする
代かきの手順
1. 荒代(あらしろ)
田植えの 7〜10日前 に行います。水を 5cm程度 張り、ロータリーで2回走ります。
この段階では完全に均す必要はありません。大きな高低差を潰す程度でOKです。
2. 仕上げ代
田植えの 2〜3日前 に行います。水を 3cm程度 に減らし、ハローまたはロータリーで1〜2回走ります。
| 項目 | 荒代 | 仕上げ代 |
|---|---|---|
| 時期 | 田植え7〜10日前 | 田植え2〜3日前 |
| 水深 | 5cm程度 | 3cm程度 |
| 走行回数 | 2回 | 1〜2回 |
| 目的 | 大きな凹凸を潰す | 田面を均一に仕上げる |
| トラクター速度 | やや速め | ゆっくり(時速2〜3km) |
均平の出し方
高い場所を見つける
水を張った状態で田んぼを歩き、土が水面から出ている場所 をマークします。スマートフォンのGPSで位置を記録しておくと翌年の参考になります。
レベラーの使い方
ハローの後ろにレベラー(均平板)を付けて走ると、高い場所の土を低い場所に引きずって均します。
コツは以下の通りです。
- レベラーは 田面から1〜2cm浮かせる 設定にする
- 走行は 長辺方向 を基本に、最後に短辺方向を1回走る
- 速度は 時速2km以下 。速いと土が寄るだけで均平が出ない
均平の確認方法
水を 2cm だけ張ります。田面が均等に水に覆われていればOK。土が露出する場所があれば、そこが高い場所です。
水量の目安
| 作業 | 水深 | 注意点 |
|---|---|---|
| 荒代 | 5cm | 多すぎると土が動きすぎる |
| 仕上げ代 | 3cm | 少ないと土が硬くて均しにくい |
| 均平確認 | 2cm | 露出する場所=高い場所 |
| 田植え前 | 1〜2cm | 植え付け深さを一定にするため浅水 |
水を張りすぎると土が流動して均平が崩れます。代かきは 浅水で何度かに分けて仕上げる のが基本です。
トラクターの設定
代かきに使う作業機と設定値の目安です。
| 項目 | 荒代 | 仕上げ代 |
|---|---|---|
| 作業機 | ロータリー | ハロー or ロータリー+レベラー |
| PTO回転 | 中速(2速) | 低速〜中速 |
| 耕深 | 10〜12cm | 5〜8cm(耕盤を壊さない) |
| 走行速度 | 時速3〜4km | 時速2〜3km |
仕上げ代で耕深を深くしすぎると耕盤を壊します。耕盤は水持ちの要なので、一度壊すと修復に数年かかります。ロータリーの深さは 耕盤の上5cm を意識してください。
圃場ごとの記録
代かきの仕上がりは圃場の土質で大きく変わります。砂質の田と粘土質の田では、最適な水量も走行回数も異なります。
以下の項目を圃場ごとに記録しておくと、翌年の作業効率が上がります。
| 記録項目 | 記録例 |
|---|---|
| 荒代の水深と走行回数 | 5cm / 2回 |
| 仕上げ代の水深と走行回数 | 3cm / 1回 |
| レベラーの高さ設定 | 1.5cm浮かせ |
| 高い場所の位置(GPS) | 圃場北東角 |
| 沈降に要した日数 | 2日 |
| 田植え時の水深と仕上がり | 1.5cm、均一 |
よくある失敗
| 失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 均平が出ない | 水が多すぎて土が動く | 水深を3cm以下に抑える |
| 田面が硬すぎる | 水が少なすぎる・乾きすぎ | 前日から水を入れて土を馴染ませる |
| 耕盤を壊す | ロータリーの深さが深すぎる | 耕盤の上5cmを目安に設定 |
| 植え付けムラ | 仕上げ代の後に沈降時間を取らない | 仕上げ代から田植えまで2〜3日空ける |
まとめ
- 代かきは荒代と仕上げ代の 2段階 で行う
- 均平のコツは 浅水・低速・レベラー
- 水深は荒代5cm → 仕上げ代3cm → 確認2cm → 田植え前1〜2cm
- 仕上げ代から田植えまで 2〜3日 空けて土を沈降させる


コメント